目的
ビーハイブジャパンが目指すもの
ミツバチと、自然と、私たちの生活と。
ミツバチが自然に与える影響は大きく、花粉交配を通じて地上に緑を増やす重要な役割を担っています。
2011年の国連環境計画の報告によれば、食糧作物種の60%以上はミツバチが媒介しているといわれています
澄んだ空気、奇麗な水、水中でも陸上でも育まれる様々命。これらが織りなす多様な生態系とそれらが形作る風景。当たり前にあると思っていたこれらのものは意識して守らないとなくなってしまうものであることを私たち人類はここ数十年で学んできました。これらの風景を人為的に再生しようとすると途方もない経費と労力、時間がかかりますが、努力しても必ずしも再生できるとは限らないのです。
私たちはこの当たり前にあった生物たちの織りなす風景を次世代につなげることを大きな目的として掲げています。この目的を果たすためには、生物たちの営みが確実に保全された状態を土台として、その上で経済活動が行われる必要があります。そしてこれを実行することはアントロポセンを生きる私たちの責任であると感じています。
持続可能な人間社会の実現には生態系への配慮が不可欠です。地域の環境に依存した畜産である養蜂業はその地域の生態系をモニターするセンサーの一つとしての役割を果たします。ミツバチ達が健康に生きていける環境は他の類似の昆虫たちにとっても良い環境と言えるでしょう。
ミツバチ達は顕花植物と共生しています。ミツバチ達が健康に生きてゆけるということはその地域に十分な種類と量の顕花植物が存在するということです。多種類の顕花植物が生きていけるということはこれらの植物それぞれと関わる多くの生き物、例えば種を運ぶ鳥や落ち葉などを分解して栄養源に変える虫や菌などが生きているという証でもあるのです。
私たちは養蜂産品を通じて養蜂に対する理解を深めていただくだけでなく、その背景にある他の生物たちの営みにも心を寄せていただけるようにしたいと常に考えています。皆様の理解と協力なしに養蜂業は成り立たちません。皆様とともに多様な生態系を含む環境を保全していく。これこそが私たちの目指す姿です。
人類は地球上の数えきれないほど多くの種類の生物とともに生きています。このことを実感し、他の生物に配慮して生きることが私たち人類の喜びに繋がると信じています。皆様とともに美しい自然環境を守り次世代へ繋いでゆけることを願ってやみません。
蜂飼い・獣医師 渡辺 宏